八女茶の話


八女茶の起源
  • 出羽の国(現:秋田県)の学僧『周瑞禅師』(しゅうずい ぜんじ)が明国
    (現:中国)の蘇州『霊巖寺』(れいがんじ)で修行を終えて帰国した後、
    今から約600年前の応永13年(1406年)に諸国行脚の折に立ち寄った
    筑後の国、鹿子尾村(かごおむら)(現:福岡県八女郡黒木町笠原)が
    かつての修業の地に景観が酷似していた為、その地に禅寺『霊巖寺』を建立するに至った。そして、明の国より持ち帰った茶の種をまき、製茶の技法を伝授したのが八女茶の始まりとされる。

八女の気候風土
  • 八女の地域は『九州内陸気候』と呼ばれ、日中の気温は高く、夜間は冷え込むという内陸性特有の寒暖の差が大きい気象が見られる。

    加えて年間1,600mm〜2,400mmと降水量が多く、『玉露・冠(かぶせ)茶・高級煎茶』など上質な茶の産地としてふさわしい条件の気候風土である。

全国各産地から見た八女茶
  • 八女茶が他の産地に比べて特筆すべき事は『玉露』が生産されている点で、生産高は全国の約50%(第1位)である。

    冷涼且つ霧深い山間地域の気候風土の中で作られる為、その品質において煎茶・玉露とも、豊潤な香りとまろやかでコクのある味わいが堪能出来るのが特徴である。

    また、毎年、全国茶品評会等において常に上位に入賞をしている『伝統の本玉露』は緑茶の中でも最高級品と称されている。この様な観点から『八女茶』は全国に誇る高級茶の産地として、近年の『健康ブーム』や『お茶ブーム』もあり、今まで以上に名声を博し、注目を集めている。